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目隠しフェンスの選び方|高さ・素材・すき間の決め方を三重の外構専門店が解説

設置位置・高さ・すき間・素材の4点で、目隠しフェンス選びを順番に整理します。基礎込み1.8mを目安にする理由、高さ2m超を慎重に考える理由、ルーバーとスリットの違い、三重県で耐風性を優先する考え方まで解説します。

公開日:2026年6月29日 最終更新:2026年8月15日

三重県の住宅に設置した木目調アルミの目隠しフェンスの施工イメージ
※写真はイメージです

三重県津市を拠点に、三重県内全域で外構・エクステリア工事を手がけるアトラディックです。目隠しフェンスは、どこを隠すか(設置位置)・高さ・すき間・素材の4点をこの順番で決めていくと迷いません。製品名から選び始めると「思ったより見える」「思ったより圧迫感がある」という後悔につながります。

先にお伝えしておくと、フェンスは外構工事のなかでもとくにお客様が悩まれる項目です。お隣との位置関係、既存の基礎ブロックの有無、地面の高低差——敷地の状況で答えが変わるためです。そのうえで当社がひとつの目安にしているのが、既存ブロックなどの基礎を含めた地面からの総高さで1.8m前後という高さです。

費用は工事費込みで1mあたり1〜4万円程度、10mで15〜40万円程度が目安(2026年8月時点・三重県)。金額の内訳や長さ別の早見表は 目隠しフェンスの費用相場|後付け・10m・20mの目安 にまとめているので、本記事は「どう選ぶか」に絞ってお読みください。

目隠しフェンスの選び方は何で決まる?【高さ・すき間・素材・設置位置】

目隠しフェンスの選び方は、設置位置・高さ・すき間・素材の4点を敷地の条件に合わせて順番に決めていく作業です。

カタログには製品がずらりと並んでいますが、実際に決めているのはこの4点だけ。メーカー名やシリーズ名は、4点が固まったあとに絞り込む最後の工程にすぎません。

決める順番決めること判断のよりどころ迷ったときの基準
① 設置位置・範囲どの面に、何mぶん立てるかどの窓から、誰の視線が気になるか敷地を囲わず「気になる面」だけに絞る
② 高さ地面からの総高さ(基礎+フェンス本体)相手の目線の高さ、隣家との距離、高低差基礎込み1.8m前後を起点に上下させる
③ すき間完全目隠し・ルーバー・スリットのどれか風通しと圧迫感、遮りたい度合い迷ったら20mm前後のすき間ありタイプ
④ 素材アルミ形材・木目調・樹脂・木製など耐久年数、メンテナンスの手間、質感アルミ形材か木目調アルミが無難

まず決めるのは「どこから、何を隠したいか」

ご相談をいただいたとき、当社が最初にお聞きするのはどの部屋の、どの窓から、何が気になるのかです。多いのは、リビングの掃き出し窓から通行人と目が合う、隣家2階から庭を見下ろされる、浴室の窓が隣家の通路に面している——といったパターン。この整理を先にやると、「敷地をぐるりと囲う必要はない」ことに気づくケースがほとんど。気になるのはたいてい1面か2面で、ここを絞るだけで費用も圧迫感も大きく変わります。

逆に施工写真から入ると、気に入ったデザインに必要な高さがない、既存ブロックに載せられる柱仕様がない——という行き止まりに当たりがちです。デザインを軽く見ていいという意味ではありません。条件が固まっているほど、デザインの選択に集中できるということです。

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目隠しフェンスの高さはどれくらい必要?【基礎込み1.8mが目安】

目隠しフェンスの高さは、既存ブロックなどの基礎を含めた地面からの総高さで1.8m前後が扱いやすい目安です。

目隠しフェンスの高さ別の見え方の比較イメージ(1.0m・1.5m・1.8m)
※画像はイメージです

1.8mという数字には理由があります。成人の目線は身長のおよそ10cm下なので、この高さがあればすぐ向こうに立った人の視線は通りません。各メーカーの主力シリーズもこの高さ帯に集中していてデザインの選択肢が広く、費用・強度・風のバランスも取りやすい高さです。。長さ別(5m・10m・20m・30m)の目安は目隠しフェンスの長さ別費用(5m〜30m)にまとめています

「フェンスの高さ」と「地面からの高さ」は別物

打ち合わせで最も食い違いが起きやすいのがここです。カタログの「H1200」「H1500」はフェンス本体の高さであって、地面からの高さではありません。多くの場合は下に基礎ブロックを1〜3段積み、その天端から立ち上がります。

基礎ブロックの段数本体H1200の場合本体H1500の場合本体H1800の場合
0段(土間・独立基礎)地面から1.2m地面から1.5m地面から1.8m
1段(約20cm)約1.4m約1.7m約2.0m
2段(約40cm)約1.6m約1.9m約2.2m
3段(約60cm)約1.8m約2.1m約2.4m

※化粧ブロック1段は高さ20cm前後が一般的な目安です。製品・工法により異なります。

すでに2段のブロックがある敷地ならH1200を載せるだけで地面から約1.6mに届き、逆に既存ブロックを忘れてH1800を選ぶと2.2mという想定外の壁が立ち上がります。既存ブロックの天端までの高さをメジャーで測っておくだけで、業者との会話がかみ合うようになります。

高さ別に「どこまで隠れるか」の目安

地面からの総高さ立った人の視線座ったときの視線隣家2階からの見下ろし圧迫感
1.0〜1.2mほぼ遮れない足元まわりを隠せる遮れないほとんどない
1.5m顔から上が見えるおおむね遮れる遮れない軽い
1.8m(目安)遮れる遮れる距離が近ければ一部有効やや感じる
2.0m以上遮れる遮れる距離が近ければ有効強く感じる・日陰も増える

※2026年8月時点の一般的な目安です。実際の見え方は距離・高低差・窓の位置で変わります。

見え方を決めるのは「高さ」より「距離」

目隠しの効き方は高さだけでは決まりません。「自分の目 → フェンスの上端 → その先へ伸ばした線」を引くと、この線より上は見えて下は隠れます。つまりフェンスに近づくほど隠れる範囲は広くなり、離れるほど上端の向こうが見えてくる。隣家2階の窓(地面から約4m)から見下ろされるなら、境界にフェンスを立てても庭の中央は隠れないので、高くするよりシェードやパーゴラ、常緑樹の植栽を組み合わせるほうが現実的です。

目線とフェンス上端を結んだ視線の通り方を示す断面図
※図はイメージです。目線とフェンス上端を結んだ線より奥は見えにくくなります。同じ高さでも、フェンスから離れるほど遮蔽効果は弱まります

敷地の高低差も同じ理屈です。道路や隣地が自宅より高ければ高さを足して考える必要があり、逆なら低いフェンスでも効きます。三重県内では高低差のあるお宅が珍しくないので、平坦な前提の情報をそのまま当てはめないでください。

なぜ高さ2m超は慎重に考えるのか

「どうせなら完全に隠したいので2mで」というご希望はよくいただきますが、フェンス単体で2mクラスになる計画は、いったん立ち止まって検討することをおすすめしています。理由は4つです。

それでも高さが要る場合は、必要な区間だけ高くするのが現実的です。浴室の窓の前2mだけを高く、残りは1.5mに落とす。費用も風の負担も抑えられます。

法令面では、鉄筋の入った補強コンクリートブロック造の塀は建築基準法施行令第62条の8で高さ2.2m以下と定められています。アルミフェンス自体は対象外ですが、ブロック塀の上に載せるならブロック部分がこの基準を満たしていることが前提です(詳しくは設置位置と隣家への配慮で解説します)。地区計画や景観計画区域で塀の高さ・色彩に独自の制限がかかる地域(三重県内では伊勢市の神宮周辺、桑名市の旧市街など)もあるため、計画前に市町の窓口でご確認ください。

すき間の設計と圧迫感|完全目隠しと風通しのバランス

すき間はゼロに近いほど視線を遮れますが風をまともに受けるため、20mm前後の抜けを残すほうが扱いやすくなります。

目隠しフェンスの縦ルーバーと横ルーバーの比較イメージ
※画像はイメージです。左:縦ルーバー/右:横ルーバー

高さの次に効くのがこの「すき間」。同じ高さ・同じ素材でも設計次第で見え方も風の受け方も変わるのに、打ち合わせで飛ばされがちな項目です。

タイプすき間の目安目隠しの度合い風の通り圧迫感向いている場所
完全目隠し
(パネル・目板張り)
0〜10mm高い(ほぼ遮る)ほとんど通らない強い浴室・洗面の窓まわり
ルーバー
(斜めの羽板)
羽板の重なりで実質ゼロ高い(正面からは遮る)通る中くらいリビング前、住宅密集地
すき間ありの横板・縦板15〜30mm中〜高(近づくと見える)よく通る軽い道路面、庭の囲い
スリット・格子40mm以上低い(抜け感重視)よく通るほとんどない駐車場まわり、境界の明示

※製品により呼称と寸法は異なります。2026年8月時点の一般的な区分です。

ルーバーは「角度」で選ぶ

ルーバーは細長い羽板を斜めに少しずつ重ねて並べたつくりで、正面からは視線が通らず、上下方向の隙間から風と光は通ります。ただし羽板の角度に沿った方向からは中が見えます。隣家2階から見下ろす角度では隙間を通して見えることもあるため、遮りたい視線がどの角度から来るのかを確認してから選ぶのが正解です。

縦か横かも機能に関わります。コツは「動きながらの視線」と「止まった視線」を分けること。道路の通行人は歩きながら見るので縦ルーバーで一瞬見えても印象に残りませんが、隣家の窓のように固定された視線には横ルーバーのほうが安定して遮れます。縦は雨で汚れが流れ落ちやすく、横は羽板の上に埃がたまりやすいという差もあります。

すき間ゼロが招く3つの副作用

「どうせなら完全に隠したい」には代償があります。①風をまともに受ける(力がすべて柱と基礎にかかる)、②庭が暗く暑くなる(植栽が育ちにくく洗濯物も乾きにくい)、③防犯上の死角ができる(外から中が見えない=侵入した人の姿も見えない)の3点です。これらを避けつつ視線を遮るなら、ルーバータイプか20mm前後のすき間があるタイプが扱いやすい落としどころ。下半分は完全目隠し・上半分は格子という組み合わせも有効で、立った目線までは確実に遮りつつ受ける風の面積を小さくできます。

素材の選び方|アルミ形材・木目調・樹脂・スチールメッシュ・木製を比較

素材はアルミ形材・木目調・樹脂・スチールメッシュ・木製の5系統で、迷ったらアルミ形材か木目調アルミが無難です。

目隠しフェンスの素材別の比較イメージ(木目調アルミ・樹脂・天然木)
※画像はイメージです

当社の現場で最近人気なのは木目調と、すっきりしたアルミ。この2つでご相談の大半が占められている実感があります。製品でいうとコスパ重視なら「エコモックフェンス」で、手が届きやすい価格帯ながら見た目も良くバランスの取れた選択肢。価格より外観の格好良さを取るなら、リクシルの「フェンスAA」のメタル調などもおすすめです。どちらの方向で進めるかを先に決めておくと、打ち合わせが早く進みます。

素材目隠し性能耐久年数の目安メンテナンス向いている場所
アルミ形材(標準色)高い(完全目隠しからルーバーまで)20年以上ほぼ不要(洗浄程度)全般。隣地側・裏手のコスト調整にも
木目調アルミ(ラッピング)高い20年前後ほぼ不要(色あせは経年で出る)道路から見える正面、リビング前
樹脂(人工木)高い15〜20年洗浄程度。反り・熱に注意ウッドデッキと素材をそろえたい庭
スチールメッシュなし(境界の明示用)10〜15年塗膜の傷から錆びることがある隣地境界・裏手など視線が気にならない面
木製(ハード/ソフトウッド)高いハード15〜20年/ソフト5〜10年数年ごとの再塗装が前提庭のアクセント、雰囲気を最優先する場所

※2026年8月時点の一般的な目安です。耐久年数は設置環境・メンテナンスの有無で大きく変わります。

アルミ形材と木目調アルミ|迷ったらこの2つから

アルミ形材と樹脂木の目隠しフェンスの素材感の比較イメージ
※写真はイメージです

アルミ形材は住宅用で最も多く選ばれている素材です。軽くて錆びにくく塗り替えが不要、柱や基礎への負担が小さいため高さのある目隠しでも計画しやすい。完全目隠し・ルーバー・スリットとタイプも豊富で、選択肢が多いのは条件が厳しい敷地ほどありがたい特性です。

木目調アルミは、芯材のアルミに木目のフィルムをラッピングしたタイプ。「木の風合いは欲しいけれど塗り替えはしたくない」という要望に素直に応えてくれます。注意点をひとつ。表面はあくまでフィルムなので、強い西日が当たり続ける面では時間とともに色あせの出方が変わります方位によって色を変える、色あせが目立ちにくい濃色を選ぶといった配慮で、後々の満足度が変わります。

残る3系統も簡単に。樹脂(人工木)は手触りが木に近くウッドデッキと素材をそろえると統一感が出ますが、重量があるため柱と基礎の仕様が変わることがあり、夏の直射日光下では表面温度が上がります。スチールメッシュに目隠し効果はないものの、「境界の明示」と「視線を遮ること」を切り分けると費用計画が整理されます。木製は質感が随一で、ハードウッドなら条件次第で15〜20年を目安に使えますが、再塗装を続ける前提の素材です。

最後にひとつ視点を。素材選びで当社が大事にしているのは、設置した日の見た目ではなく5年後、10年後にどう見えるかです。複数の気候帯で外構に関わってきた経験から言えば、色あせ方や汚れの残り方は時間が経ってから表れます。三重県には強い西日と潮を含んだ風があるので、海沿いではアルミでも表面処理の仕様を確認しておく価値があります。迷ったら実物やサンプルを見せてもらってください。仕上がりの雰囲気は 施工イメージのページ でもご覧いただけます。

「どのタイプ・どの素材なら隠れるか」だけのご相談でも大丈夫です

遮りたい視線の角度は、現地で立って確認するのがいちばん早いです。
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【三重県で選ぶなら】耐雪性より耐風性を優先する

三重県は雪がほとんど積もらず台風の影響を受けるため、耐雪性より耐風性を優先して仕様を決めるのが現実的です。

意外に思われるかもしれませんが、目隠しフェンスはカーポートより風の影響を受けやすい構造物です。カーポートの屋根は風が上下に抜けますが、目隠しフェンスは風向きに対して垂直に立つ「面」。支えているのは地中の柱と基礎だけで、寿命と安全性は見えない基礎で決まります。台風後のご相談も、柱の根元が緩んだケースが多い印象です。

耐風圧グレードと柱ピッチの見方

耐風性能はカタログで「風速◯m/s相当」と表記され、数字が大きいほど強い風に耐える設計という意味です。

耐風圧の目安位置づけ想定される敷地
風速34m/s相当一般に流通する標準グレード内陸・住宅密集地など、周囲の建物が風を遮る
風速38m/s相当耐風強化グレード三重の沿岸部・平野で風が抜ける敷地。当社の目安
風速42m/s相当以上高耐風グレード伊勢志摩・東紀州の海沿い、遮るもののない広い敷地

※2026年8月時点の目安です。必要な性能は敷地の立地・周辺状況・製品仕様により変わります。

あわせて見ておきたいのが柱の間隔です。同じ製品でも柱のピッチによって耐えられる風速が変わります。標準は2m前後ですが、1m程度まで詰める仕様に対応した製品があり、柱1本あたりが負担する力が半分になるぶん耐風性能は大きく向上します。カタログでも「柱ピッチ◯mm以内で施工した場合、耐風圧◯m/s相当」といった条件付きの表記が一般的です。

逆にいえば、見積額が安い理由が「柱の本数を減らしている」ことである可能性にも注意が必要です。見積書のどこを見れば仕様の差が分かるかは 外構の見積もり完全ガイド|取り方・見積書の見方 にまとめています。

柱のピッチが広い場合と狭い場合で柱1本が受け持つ風の面積が変わることを示す模式図
※図はイメージです。上は柱が少なく1本あたりが受け持つ面積が大きい状態、下は柱を増やして分散させた状態。同じ製品でも柱ピッチで風への強さが変わります

基礎の考え方と、雪への備え

支え方は2通り。地面に基礎を埋める独立基礎は基礎の大きさと根入れの深さで耐風性が決まり、ブロック塀の上(コア抜き施工)なら塀そのものの強度が上限になります。費用を抑えたいときに削られやすいのがこの基礎ですが、根入れが浅いと強風時に倒れて人や車を傷つけるおそれがあります。費用を調整するなら、基礎ではなく「範囲」と「素材」で——これが当社の一貫した考え方です。

雪はというと、フェンスには積もる面がないため積雪自体が問題になることは多くありません。注意したいのは除雪した雪の置き場で、内陸ではフェンス際に雪を寄せるとその重さが横からかかります。台風のあとは柱の根元・パネル押さえの浮き・ラインの通りの3点を目視で確認してください。早めに気づけば部材の交換だけで済みます。

設置位置と隣家への配慮|境界・ブロック塀の上に建てるときの注意

フェンスは自分の敷地内に立てるのが基本で、境界の確定と隣家へのひと声を着工前に済ませておくと後が円滑です。

既存ブロック塀の上に設置した目隠しフェンスのイメージ
※写真はイメージです

フェンスで悩まれる理由の大半は、実は製品選びではなくお隣との関係です。ここを丁寧に進められるかどうかで、その後の何十年かのご近所付き合いが変わります。

境界を確定し、民法の2条文を押さえる

最初にやるべきは境界の位置をはっきりさせること。境界標(コンクリート杭や金属プレート)が見当たらないなら着工前に確認を。立て方は「自分の敷地内に単独」か「境界線上に共有」の2通りで、共有は費用を折半にできる反面、将来の交換に相手の同意が要ります。目隠しフェンスは高さもデザインも自分で決めたいものなので、自分の敷地内に単独で立てるのが基本です。

民法では、第234条の「境界線から50cm以上」はフェンスや塀には及ばないと解されていますが、トラブル予防のため少し控えるのが望ましい運用。第235条は境界線から1m未満で他人の宅地を見通せる窓・縁側を設ける者に目隠しの設置義務を課すもので、自宅の2階窓が該当すれば自分に義務が生じ、隣家側が該当する場合は話し合いの根拠になり得ます(2026年8月時点の条文の概要です。個別のトラブルは専門家にご相談ください)。

既存のブロック塀の上に建てるときの注意

「入居時からあるブロック塀の上にフェンスを足したい」というご相談はよくいただきます。条件が合えば費用を抑えられますが、前提になるのは既存ブロック塀の安全確認です。フェンスが受けた風の力はそのまま塀に伝わるため、塀が健全でなければフェンスだけ丈夫にしても意味がありません。現地では高さ(補強コンクリートブロック造の塀は2.2m以下。フェンスを載せた後の合計高さで考える)・控壁の有無(高さ1.2m超の塀は長さ3.4m以下ごとに必要)・鉄筋の有無・ひび割れや傾きを確認します。

2018年の大阪府北部地震でブロック塀の倒壊事故が起きて以降、既存塀の点検は業界全体で重視されています。状態によっては「塀の補修や作り替えから」となり、フェンスだけを載せるより費用がかかることもあります。ここをきちんと見てくれるかは依頼先を選ぶひとつの基準です(外構業者の選び方|どこに頼む?依頼先6種類の違い)。なお危険なブロック塀の撤去には津市・四日市市・伊勢市・鈴鹿市・伊賀市など多くの市町で補助制度があり、撤去に加えて軽量フェンスの新設まで対象に含める制度もあります。条件や受付期間は自治体と年度で変わるため、市町の窓口にご確認ください。

隣家への事前のひと声と、場所ごとの使い分け

法的な義務ではありませんが、隣地境界にフェンスを新設するなら着工前にお隣へ伝えておくことを強くおすすめします。伝えるのは①工事の時期と期間 ②フェンスの高さ・色・素材 ③境界線からの距離の3点で十分。とくにお隣の日当たりや風通しに影響が出そうな面は事前の相談が有効です。北側の隣地に高いフェンスを立てると、相手側の庭に一日中影ができることもあります。

また面によって必要な目隠しのレベルは違います。リビング・庭の前は1.8m前後のルーバーか木目調で予算をかける価値がある面、隣家の窓と向き合う面は横ルーバー、浴室の窓まわりは完全目隠し、駐車場まわりは視界を塞ぐと危ないので低めかスリット、裏手はスチールメッシュ。全部を同じ仕様にしないほうが満足度も費用効率も上がります。あわせてフェンス際の地面も考えておきたいところ。フェンスの下は草刈り機が入りにくく雑草が最も伸びやすい場所なので、工事と同時に防草シート+砂利などで処理しておくと後々の手間が減ります(雑草対策の費用と方法を比較|業者依頼の目安)。

費用を抑える選び方のコツ|片面木目・範囲を絞る・高さを欲張らない

費用を抑える近道は、目隠しにする範囲を絞ること・片面木目を選ぶこと・高さを欲張らないことの3点です。

木調の目隠しフェンスを設置した住宅の外観イメージ
※写真はイメージです

金額の目安は工事費込みで1mあたり1〜4万円程度、10mで15〜40万円程度(2026年8月時点・三重県の目安)。内訳・長さ別の早見表・後付けの追加費用・見積書のチェックポイントは 目隠しフェンスの費用相場|後付け・10m・20mの目安と安く抑えるコツ にすべてまとめています。ここでは金額ではなく「選び方の工夫で費用がどう変わるか」に絞ります。

効果が大きい順に、①目隠しにする範囲を絞る ②片面木目タイプを選ぶ ③高さを欲張らない ④標準規格・標準色で計画する ⑤他の外構工事とまとめて発注する、の5つです。

いちばん効くのが範囲です。全周を高い目隠しで囲うと費用は一気に膨らみますが、実際に視線が気になるのは1面か2面であることがほとんど。必要な区間だけ目隠しにして残りをスチールメッシュにするだけで総額は大きく変わります。順番を守ることが、そのまま費用対策になっています。

次に、当社がよくご提案する具体的なワザが片面木目タイプ。木目調のパネルには両面木目と片面だけ木目のタイプがあり、片面のほうが費用を抑えられます。決めるのは「どちらの顔を立てるか」だけで、庭やリビングからの眺めを優先するなら内側だけを木目に、道路からの外観を優先するなら外側だけを木目に。毎日目にする側を木目にしておけば、満足感をあまり落とさずに費用を抑えられます。

高さも費用に直結します。同じ素材でも1.8mは1.2mの1.4〜1.6倍、2m以上では1.6〜2倍程度。ここで効くのが高さのセクションで触れた「距離」の考え方で、フェンスを窓に近づける・座った目線を基準にする・必要な区間だけ高くするといった工夫で、高さを上げずに同じ効果が得られることがあります。高さを1段階抑えられれば、その差額で素材のグレードを上げられます

あとは標準の高さ・幅・色で計画すること。フェンスは長さのある工事なので1mあたりの単価差が総額に大きく響きます。カーポートや駐車場の舗装を予定しているなら同時施工も得策です。外構全体のなかでフェンスにいくら割り当てるかは、外構工事の費用相場|100万・200万・300万円でできること で全体像を確認すると考えやすくなります。

最後に現場からの実感を。フェンス製品も値上がりが続いています。物価高・材料費高で価格改定が毎年のように行われており、今後も上昇傾向は続くと当社は見ています(2026年8月時点)。そして費用を抑えるときに削らないでいただきたいのが基礎と柱の仕様です。予算を調整するなら「範囲」と「素材のグレード」で。何年も現場を見てきたうえでの、率直なおすすめです。

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三重県の住宅外観と調和した木目調アルミの目隠しフェンスのデザイン例
※写真はイメージです

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よくある質問

目隠しフェンスの高さは何cmがちょうどいいですか?

既存ブロックなどの基礎を含めた地面からの総高さで、1.8m前後が扱いやすい目安です。立った状態の目線をしっかり遮れて、対応する製品の選択肢も多く、費用と強度のバランスが取りやすい高さだからです。ただしリビングで座って過ごす時間が長いお宅なら、座った目線を基準に1.5m前後まで抑えても満足度が出ることがあります。隣家との距離や敷地の高低差でも必要な高さは変わります。

目隠しフェンスは高さ2mにできますか?

できる場合もありますが、当社では慎重に検討することをおすすめしています。フェンス単体で2mクラスになると対応できる製品自体が少なくなり、柱を太く本数を増やし基礎も大きくする必要があるため費用が跳ね上がります。風を受ける面積も増えるため、台風のある三重県では負担が大きくなります。まず本当にその高さが要る範囲を絞り込み、必要な区間だけ高くする考え方をご提案しています。

目隠しフェンスはすき間なしとすき間ありのどちらがいいですか?

視線を確実に遮りたい浴室の窓まわりなどはすき間なし、それ以外は20mm前後のすき間があるタイプが扱いやすい選択です。すき間ゼロは風をまともに受けるため柱と基礎の負担が大きく、庭が暗くなる、夏に熱がこもるといった副作用も出ます。ルーバータイプなら正面からの視線は遮りつつ風と光を通せるため、圧迫感を抑えたい住宅密集地では有力な選択肢です。

目隠しフェンスの素材は何がおすすめですか?

迷ったらアルミ形材か木目調アルミが無難です。どちらも塗り替えが不要で20年前後を目安に使え、目隠しタイプの製品も豊富にそろっています。木の質感を出したい正面側だけ木目調にして、隣地側や裏手は標準色のアルミにするといった使い分けも有効です。樹脂の人工木は重量があるため柱と基礎の仕様を確認してください。天然木は質感が随一な一方、再塗装などの維持を続ける前提で選ぶ素材です。

既存のブロック塀の上に目隠しフェンスを設置できますか?

塀の状態が良ければ設置できます。ただし前提になるのが既存ブロック塀の安全確認で、高さ・控壁の有無・鉄筋の有無・ひび割れや傾きを点検したうえで判断します。鉄筋の入っていない古い塀や傾きのある塀にフェンスを載せると、風を受けたときの負担が塀にそのままかかります。塀とフェンスを合わせた総高さで計画すること、状態によっては塀の補修から必要になることを見込んでおいてください。

【まとめ】目隠しフェンスは「順番」と「地域」で選ぶ

選び方の軸さえ持っていれば、製品名や施工写真に振り回されずに、自分の敷地と暮らしに合ったフェンスを選べます。フェンスは、敷地に立ってリビングの窓から外を見てみないと分からないことが多い工事です。「この高さで隠れるのか」「隣との関係をどう進めればいいか」——そうしたご相談だけでも歓迎です。現地調査・ご相談・概算見積もりまで無料。お問い合わせの後に当社から営業のお電話をおかけすることは一切ありません。

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監修: 代表取締役 木高 雅美株式会社アトラディック)。代表施工者は米国ハワイ州で外構施工会社を設立・運営し、ハワイ8年・韓国3年、海外施工歴11年。三重県津市を拠点に外構・エクステリア工事を専門としています。

※本記事は2026年8月時点の調査と、当社が三重県内で外構・エクステリア工事を手がけるなかで得た実感にもとづく一般的な解説です。掲載した高さ・寸法・耐久年数・性能・価格の数値は目安であり、製品仕様はメーカー・シリーズ・年度によって異なります。価格は敷地条件・製品グレード・施工時期により変動します。ブロック塀の基準・法令の解釈・景観計画区域の指定・補助金の条件は、自治体の運用と年度によって変わります。実際の要否と条件は、自治体の窓口・専門家・施工店にご確認ください。

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